17歳の不良と6歳の殺し屋

銃を取る手。上がる拳。


熱。
熱。
…熱?



翡翠は顔を上げた。勢いが増した向かい風の中、両手を広げた。


なんとなく…わかった気がする。



雫の中に熱い、何かを感じた。


強さを感じた。



昔、…そんなに昔でもないけど、ちょっと前までの私は…ただ、ただ人を殺していた。
違うか、今もそうだ。


そうだ。出会った頃の雫にどこかしら自分を感じた。


それで。


胸騒ぎがしたんだ。
あの熱と強さを持って何で私と違う所に立っているのか…!


そう、気に食わなかった。
気に食わなかったんだ。



どうしても、自分のいる所に落としてやりたかった。



それで。仲間に…引き込んだ。