初めは惹かれた。
強い憎悪。
怨み。
全てを諦めている傍らで、絶対に屈しない強い光。
そう、その姿はまさに騎士。
凛と立つその背中が浮かんだ。鋭く光る刃物のような。そんな感情を受けた瞬間何かが自分の中に入ってきたのだ。
まるで鏡を見ているようだと思った。
いや、似ているのではない。
雫と自分は似てなどいない。ただ、奥の奥で何かが自分の心を掴んで離さなかった。
自分からしてみれば、雫など、ひよっこだった。
だけど、雫はどこか人の足元にいるような存在ではないと思った。
小さくもそれは刃物であり、油断したら自分の血がでる。
負ければ、死ぬ気で這い上がる。
光る瞳。つりあがる口、舞う血。
戦っている雫のイメージ。笑ってる。
自分とは違う。でも何故鏡を見ているイメージがあるんだろう?


