17歳の不良と6歳の殺し屋


「初めて、誰かを傍に置きたいって思ったんでしょ?大切なモノを守るのはそれはそれは大変な事なの。特にこの世界では…なの」

「…わかってるわ。そんな事」

「だから、大切なものを作らなかった……でもそれは自分で決められる事じゃない自然に出来るものなんだよ翡翠。気付かないふりをしてたらその人はいなくなるの」

翡翠の視線はいつの間にか店の商品であるお摘みなどのものに注がれていた。自分の気
持ちの揺らぎにどこか否定するように別の場所を見てしまう。
コンビニは静かだった。客はいつの間にか誰もいない。店員も奥にいる。


瞳が揺れ動くのがわかった。
別に、たいして長い事傍にいたわけではない。


自分が何を迷っているのか、翡翠にはわからなかった。



「買い物。済ませておいて」



翡翠はそれだけ言うとコンビニを出て行った。


「僕が家に戻る前に戻って来てなの…」


コルダの呟きが誰もいない店に虚しく響いた。