17歳の不良と6歳の殺し屋

伏せられたハリスの目に私は昔の事でも思い出しているのだろうかと思った。
翡翠に会った時、どこか疲れた女のようなイメージがあった。いたいけな少女には到底見えない。それは今でも変らない。

でも、最近の翡翠は確かに楽しそうな気がする。生き生きしている。

「…そういえば、ハリスとも同じ日に会ったよね…」

私はハリスの話を逸らした。翡翠のイメージは、なんとなく今のままでいいと思ったから。わざわざ過去を、本人のいない所で勝手に聞こうとは思わない。

ハリスもそれをわかってか、ニッと笑って応えた。

「そうだな、あん時はマジにビビッたぜ!仕事をいつも五分もかけない。それも日本の娘一人殺すのに、あんな時間をかけてるとは思ってなかったからなぁ」

ハハハ!と軽く恐ろしい事を言ってくれるものだ。私は軽く苦笑いを零す。
でも、確かにあの時は相当ピンチだった。

だけど、今にしてみればゾクゾクとして中々楽しんでいたかもしれない。
本当に私は随分変った。