17歳の不良と6歳の殺し屋

雫は頭を持ち上げて頬を軽くパシパシと叩く。

「おい!しっかりしろ!!」

涙で揺れた瞳で雫は懸命に少女に声をかけた。少女は短く荒い息をなんども動かし、虚ろな瞳がゆっくり揺らいで周りを見渡した。そして必死に叫ぶ雫を見つけると少女はフッと少しだけ笑った。ビクリと雫の肩が揺れる。

少女はもう限界だった。もうその耳には何も聞こえてはいない。