さらに加速する雫に男はもうダメだ顔を引きつらせた。
雫は銃を構える。
その瞬間、男は笑った。
雫の銃を放つのと男の動きはほぼ同じ。
雫の弾丸がえぐったのは一人の少女。
顔の半分が火傷か何かでただれて、一杯の涙を流した一人の、少女だった。
「…ぇ……」
雫は銃を構えたまま呆然と地に沈む少女を見ていた。
男は倒れた少女の身ぐるみを乱暴に剥ぎ、そこから拳銃を取り出した。
「よし!あったぜ!!いい所に転がってたぜ!」
男は汗だくの顔を上げて雫に銃を向けようとした時。雫の顔を見ようとしていた視界が一瞬にして雫の足元になっていた。
ボトリと男の生首が落ちる。


