１７歳の不良と６歳の殺し屋

シュッと空気を切る音の後ガツッと鈍い音が響いた。雫の細身のナイフが男の太いサバイバルナイフに受け止められたのだ。
雫とこの男の腕の差は、キリンとゾウ程の差があった。

「チッ！」

雫は一度身を引き。拳を引っ込めて、思い切り打った。殴ったのは腹ではなく、手首だ。
男はジーンと反動する痛みにナイフを落とし、もう片方の手で手首を押さえた。
しばらく感覚が戻らないだろう。雫は怯んだその隙に頭上に飛び上がり脳天にかかと落としをして気絶させた。
背後から迫ってきた男を雫は肘で相手の頬を殴る。その男の頬はグニャリと曲がって歯がバキバキと折れていき、そこ等辺に散っていった。男は歯で口内を切ったのか倒れてから開け放たれた口から血がドクドク出てきていた。

「んのヤロウッ！！」

また別の男が両手を組んで雫の頭目掛けて振り下ろしてきた。
それに雫は目にも溜まらぬ速さでシグを構えてその拳に弾丸をぶち込んだ。

「ぎゃああああああ！！」

男は悲鳴を上げて両手を掲げるようにしてそのまま後ろに倒れこみゴロゴロと転げまわって呻きまわった。