17歳の不良と6歳の殺し屋


「馬鹿ね。大事なのは経験や能力だけじゃないのよ。心も大事。人間誰でも意気込みだけで結果は違うもの。もっともっと腕を磨き上げて、力に差をつけるのよ。戦いはそこから。己に力の賛美を、敵に弱者の絶望を。同時に味わえるなんて最高じゃない?」

クスリと翡翠は妖美に笑う。それにゾクリとコルダの背に鳥肌が立った。
彼女の計算はどこまでされているのだろうか?
わからない。それでもコルダは平静を保った。

「雫の出来はどうなの?」

「お前も見ればわかるでしょう?雫は次期に私の足元から飛び上がるわ」

「ふうん。翡翠にそこまで言わせるなんて、なの」

そう言いつつもコルダ自身も翡翠と同じ考えだった。少なくとも、雫はすぐに自分の力を超えるだろう。
そう、遠くない未来。