17歳の不良と6歳の殺し屋

一人の時は誰かといるなんてありえないと思っていたのに。
味わってみるとこんなにもいいものなのかと思ってしまう。
こんなめんどくさいとこにいるというのに、それを寧ろ楽しんでいるとは。
雫から自然と笑みがこぼれていた。


「…雫?」


「ん?何」


振り向く雫の髪がふわりとなびいた。そして同じようにふわりと微笑む。

「…なんでもないの」

「変なコルダ」

「……僕、翡翠を手伝ってくるの」

「行ってらっしゃい」

「行ってきますなの」


夜の肌寒さは、コルダの火照った頬にとても心地よく感じていた。
家の中で、淡く暖かな光といい匂いがあふれ出し、小さな鼻歌まで聞こえてきた。
(結局、変ったというのは人のこと言えなかったの)

あんなにめんどくさがりの自分が…


「さて、翡翠はどこかな、なの」


コルダは弾む足取りで森へと入って行った。