そんなやりとりの後、紅茶をカチャンッと置いた翡翠がフーっと息を吐いて、雫を見た。
「さて、それじゃあさっそく雫を登録させるわよ」
「登録?」
翡翠の言葉に首を傾げているとコルダが説明しだした。
「ホラ、来る時に手をかざしたり、指紋や声を確認したりしたの」
「あ!あのキモイ奴か!!」
「キモイって……」
コルダはうるるっと瞳に涙を溜めて落ち込んだ。それに雫が疑問符を飛ばしていると翡翠が「あれはコルダが作ったものよ」と言ってきた。
「…すみません」なんとなく謝ってみる。
「で、あれを登録しないとここに行き来が出来ないんだよ」
「え、これたじゃん」
現にここにこうしているんだと雫は主張した。


