17歳の不良と6歳の殺し屋

このホテルは、15階までは普通の一般向けの作りをしている。
残りの3階は翡翠達の専用ルームとなっている。
ここにはプールやカジノ、レストランはもちろんダンス教室や、トレーニングルーム、カラオケまであるのだ。
それを目が覚めた雫が聞くとまたフラリと身体をよろめかした。

「そんな驚く事じゃないでしょう」

翡翠が心底呆れたように言う。それにコルダとハリスがうんうんと頷く。

(なんだよ、こんな時ばっか気が合いやがって)

だが、そんな事で倒れてしまったのは事実で、少し恥かしい思いをしてしまい雫は顔を赤らめた。

「まぁ、とりあえず、ここが俺達のアジトなんだ」

「……アジトって目立ちすぎだろ!!」

「だからそれを裏手にとってるの」

「は?」

「ここがアジトだなんて誰も思わないでしょう?」

「まぁ、ね」

「だからいいんじゃねーか」