さて、これから翡翠たちのアジトの探検と行く…のだが…
「どうしたの?雫は…」
一番上の階。
広い落ち着いた雰囲気の部屋。
奥に大きな黒い椅子とデスクが目立つどこか見たことのある部屋。
そう、そこはまさしく社長室と呼ぶのがふさわしい。
デスクの前の長テーブルの両脇に供えられているソファーで優雅に紅茶を飲んでいたコルダの前にハリスに抱えられた雫と呆れた顔をした翡翠が立っていた。
「この子、こういう高級な場面に遭遇したことないんですって」
「それでどうしたの?」
「ここの高級感にあてられて…」
「気持ち悪くなった…の?」
『その通り』
二人が声を揃えてコルダに返すと肩を貸してもらっている雫がう~っと青ざめて唸っていた。


