17歳の不良と6歳の殺し屋


「ここの奴らってのはな。」

「うん?」

「価値で人を見るんだよ」

「価値?」

「そうだ」

雫にはハリスの言っている意味がわからなかった。だが、酷く氷ったような瞳になんだか、心が痛むような気がした。

「私は、ハリス、嫌いじゃないよ」

『私は、ハリス嫌いじゃないわ』



「ハリス?」


雫は急に立ち止まって、大きく目を見開くハリスを心配そうに見た。ハリスは未だに立ち止まっている。
すると、ハリスは少し顔を下げた。
雫からではその顔色が伺えない。


「…へ、翡翠と同じ事言いやがる…」


ボソリとハリスは呟いた。だが、それは雫に届かない。


「へ?何、ハリス聞こえない」

雫がハリスに近づき、下から顔を覗き込むようにすると、急にガバッとハリスは顔を上げた。それにビックリしているとハリスは少年のような輝かしい笑顔で

「俺も雫好きだぜ!」
と返した。