17歳の不良と6歳の殺し屋

翡翠はスタスタと歩いて行ってしまった。その後を追うようにコルダが雫を通り過ぎる。

「ハリス」

「ん?」

「コルダ嫌いなの?」

「…いや、好きな奴なんざいねーよ」

フッと笑って見せる笑顔になんだか寂しさを感じ取った。

「翡翠は?」

「翡翠は恩人だ」

「そうなの?」

「ああ」

いいから行こうぜというハリスに雫は慌てて追いかける。
なにか言わなくてはならない気がするが、こういった事の経験がない雫は正直困ってしまった。
だが、話を切り出したのはハリスだった。