17歳の不良と6歳の殺し屋


「ここを上がれば着くわ」

翡翠がまず、上がっていき、四角い蓋を押して外にスルンッと出て行った。
そして穴から顔を出して、次来なさい!と声をかけた。
雫は、はしごに手をかけた。不安半分に妙な興奮半分といった所だろうか。
外に手を掛けるとグイッと腕をひっぱられた。翡翠にしては大きくてかさついた手に。

「よう~雫、久しぶりだなぁ」

「…ハリス!!」

雫の手を引いたのはなんとハリスだった。
後ろから「よいしょ」という声がする、コルダも上がってきたようだ。

「あ?なんだネズミもいんのか?」

「能無しにとやかく言われる筋合いはないの」

急に険悪になった空気に雫は戸惑うが、翡翠は済ました顔をしている。

「ね、ねぇ…ハリスってコルダと仲悪いの?」

「違うわ」

「じゃあ、なんなの?」

「ハリスと仲のいい同業者なんて見たことないわ」

「え…それってどういう…」

「案内するぜ!雫!!」

雫が翡翠に問いかけようとすると、ハリスの声が重なった。振り向くとハリスはニカッとした笑顔を向けていた。