17歳の不良と6歳の殺し屋

あらかた修行が終わった雫達。
雫は上の服を脱ぎ捨ててタンクトップ一枚にジーンズといった格好だ。
汗だくで額に張り付いた髪を気持ち悪そうに払っているとコルダは「向こうにシャワー室があるの」と言った。
雫が助かると言ってそこに向かおうとした時、それを翡翠が止めた。

「何?もうベタベタで気持ち悪いんだけど」

「そんな粗末なもの使わないで、もっといい所に行きましょう」

「まーたなんか企んでる?」

ニヤリと笑う翡翠に雫はげんなりした。

「今から私たちのアジトに向うわよ」

「ここじゃないの?」

「こんな汚い所で寝られるわけないでしょう」

翡翠は勢いよく雫達に背を向けると奥の端っこに向って行った。
そこには壁があった。その壁を翡翠は手のひらをぐっと広げて押し付けるようにぺったりとくっつけた。