１７歳の不良と６歳の殺し屋

翡翠は必死になって抵抗してきた。翡翠がどんな鍛え方をしたかは知らないが同じ女で私も幼い頃から筋肉を付けてきたのだ。その差は大きい。

ドンッと翡翠の身柄が壁に叩きつけられる。痛みに顔を歪めると同時にバラバラと何かが落ちる音がして床を見た。

するとそこには銃弾…マガジンが大量に落ちていた。どこにこんな量を隠し持っていたのだろうか。
私は一瞬それを見ただけですぐに攻撃を開始する。流石にこんな幼い子供に手を上げる自分が嫌になるが、そうは言ってられない。
どんなに幼かろうと相手はプロだ。そう、わかっていたはずだった。


「ぅわッ…？！」

私がナイフを構えたのと同時に、在ろう事か翡翠はそのナイフの刃を素手で握りこんだのだ。
思わず、私は変な声を出してうろたえてしまった。
今まで、色んな不良共を相手にしてきたが、ここまでやられたのは初めてだった。


「あんまり、私を舐めないで…」


翡翠はガッと素早く銃を構える。
私は思い切り翡翠の腹に蹴りを入れた。パシュンッと撃たれた弾は私の頬の薄皮を裂いた。
しまったと思う頃には既に遅く私と翡翠の間に距離が出来てしまっていた。
翡翠は汗を垂らしつつもニヤリと笑った。