17歳の不良と6歳の殺し屋

さて、朝食も食べ終わり、一息着いた所で翡翠はニッと素晴らしく嫌な笑顔を雫に向けた。

「さ~て、今日の晩御飯の買出しに…」

「さぁ、行くわよ雫!」

「や~め~ろおおおおお!!」


買い物に行けるはずもなく、雫は翡翠に襟首を持たれながらズルズルと引きずられていった。



今日はいつもよりも気温が高い。ムシムシとして気持ちが悪い。

「はぁ、地球温暖化って奴か…」

そんな風に言葉を零していると隣を歩く翡翠が不思議そうに話しかけた。

「そういえば、母親はいいの?」

「あ~、ご飯ラップしておいたから、大丈夫でしょう。最近具合いいし」

「…私、一度も姿を見てないんだけど……」

「そりゃ見せてないもん」

「……ほんとに何者?」

「ん?」

「なんでもないわ」


他愛無い話を弾ませて歩いていく。雫は自分の見た事もない道にどんどん入っていくのを少し不安に感じていた。