「あの子、危ういの」 「そうね」 「存在も意志も価値観も…」 「そうね」 「強くはなる。でも…」 「そうね」 「…翡翠」 「何?」 「僕は、銃が嫌い…なの」 「私は好きよ。愛してる」 翡翠は机に背を預けて、コルダは椅子に座ったまま真っ直ぐ前を見る。 二人は視線を交わさずに、ただただ闇を見つめていた。 遠くの方で雫の『ぬぅぉおおおおおおおおおっ!!』という低い呻き声のようなものが聞こえて来る。