「………」
雫は一度力を抜いて一呼吸するとカッと目を見開いて思い切り力を出して扉を引っ張った。
「ふぅッぐぬぬぬぬぬぅおおおおおおっ!!!」
ミシミシと自分の腕の血管が延びていくのがわかる。青筋が浮き上がる。
扉は先程よりも歯切れ悪く、音も小さくギッ…ギッ…とゆっくりゆっくり閉まって行った。
そしてようやく最後までガチャリと締め終わると雫はそこに座り込み肩で呼吸を繰り返した。
「ハァ、ハァ、…あ、あいつは…バケモンか……」
雫はそこ等辺の男子なんかの何倍は力がある。だが、翡翠はレベルというものが違いすぎる…。
(もう、翡翠くらいに強くなる説が疑われるぞ…)
雫はそこでガックリ項垂れた。


