17歳の不良と6歳の殺し屋

「つれないわね。そんなんじゃモテないわよ?」
「今そういう話しないでくれる?虫唾が走る。てか、どうやってここに来たの?」

機嫌の悪い雫に対して翡翠は大して気遣うわけでもなく淡々と会話していった。


「窓と窓を飛び乗って。」

「……登って来たの?」

「ん~まぁ、そんな感じ?」

「………人間じゃない…」


盛大に溜息を吐いた雫に翡翠は呆れたような顔をしてグイッと雫の頬を抓った。

「いだだだだだっ!!!!」


尋常じゃない程の痛みが雫を襲う。彼女の力はその細く儚気な肉体からは想像できない程の力を秘めているのだ。本気で抓ったら頬の肉を引き千切ってしまえるなどと冗談ではすまないだろう。


「生意気を言うんじゃない。」


「いつ言った!大体、アンタ昨日、病人に無理矢理に拳銃の話を聞かせるわ、さらにその愛銃で人殴るわ!どっちが年上だと思ってんの?!」


ジタバタと暴れて翡翠から逃げ、赤く腫れ上がる頬を手で包むように撫でる。少し触れただけで痺れるような鋭い痛みが走った。

「何言ってるのかしら?私が普段持ってる銃は四丁よ?」

「……え?」

「昨日はたった二つしか私の銃の説明をしてないわ」


ふんぞり返る翡翠を見て雫は嫌な予感が隠しきれなかった。