5月にある、教育キャンプ。 多分私は何かを探してたんだよね。 「何?」 上から低い声がしたんだ。 見上げると上野君。 切れ長な目のせいで、冷たく見えてしまう。 思わず怖くて目をふせてしまった。 この人、笑うのかな? 何て返せばいいんだ? なんて考えが頭の中をぐるぐる回っていると、 「何か探し物?」 泣いた子をなだめるような大人っぽい優しい口調で話かけてくれた。 「あ、うん。」 恐る恐る目を上げると、切れ長な目が優しくこちらを見てた。 今思えば、あの時が全ての始まりだったんだ。