「だから、サヤの気持ち確かめるために...ユカに頼んだ。」
は?
そう言ってしまいそうになって、慌てて自分の口を塞ぐ。
「事情話して、協力してほしいって。 ユカは良いヤツだから、すぐわかってくれて。
でも...いざやってみて一週間経っても、サヤは何にも言ってこねぇし。ヤキモチ妬いてる様子もねぇし。」
......要するに、
わたしにヤキモチ妬かせたくて、
ユカちゃんに協力してもらって、
二人して、ひと芝居打ってたってワケ?
「樹、お前......女子トイレの前座って、何してんの? お前、まさか......」
「違げぇよ!てめぇと一緒にすんなっ、黙ってろ。」
ドアの向こうで、言い合いをする樹と誰か。
あ、もうチャイム鳴ってたんだっけ...。
そりゃ男の樹が女子トイレのドアの真ん前にいたら、誰だって不審に思うよね。

