何?
樹はわたしに何を言わせたいの?
何を望んでるの?求めてるの?
樹がわかんないよ...!
「お似合いだって思ったわよ!」
これっぽちも思ってなんかない言葉が、わたしの口から飛び出したとき。
ガッとありえないくらい強い力で両肩を掴まれて、無理矢理樹の方を向かせられる。
「本気で思ってんの?」
いつにない、樹の真剣な表情。
わたしは、不謹慎にもドキっとしてしまう。
「マジでそんなこと思ってんの?」
きゅっと口をつぐんで話そうとしないわたしに、何度も同じ質問を浴びせる。
肩を掴む手に、グッと力が入る。
その肩が痛くて、目の前にいる人は樹であって樹でないみたいだった。
だって樹は、わたしが嫌がるようなことや痛がるようなことは、一切しない人だったから。

