後ろ姿ですぐわかった。

樹と、うらやましいくらいの美脚を持つユカちゃん。


「ねぇ、今からどこ行く?」

「うーん...。 ユカ、駅前のケーキ屋に行きたいとか言ってなかった?」

「え~、覚えててくれたの? 嬉しいっ。」



傍から見れば、ラブラブのカップル。

それくらい、腕を組んで楽しく笑い合う仲睦まじい二人。

前までは、ちゃん付けで呼んでたのに、今は呼び捨てで呼んでるし。


...なんだか、柄にもなく泣きそうになった。


ねぇ、樹。

彼女はわたしじゃなかったの?


一緒に帰ってたとき、

ユカちゃんみたいに腕を組んだりはしてなかったけど...。


二人で、笑い合ってたじゃん...。


ワケわかんないよ...、樹。