だけど、高校生になり公園でブランコに乗りながらペロペロキャンディーを舐めている今、塀への好奇心がまた湧いてきたのだ。
放課後の夕方、制服姿のあたし以外、公園には誰もいなかった。
それならば、久しぶりにのぼってしまおう。
なんて思ったのに、体が動かない。
なぜだろう。
あたしは学校であったさまざまなことを思い出していた。
あたしの家から学校まで電車で行っている。
電車を下りて、1キロメートルぐらい歩くと学校に着く。
あたしは電車から降りて、学校に行くまで友達と喋りながら車道と歩道に間にあるボコっとした小さなガードレールの上をのぼって渡っていた。



