ガラクタ姫


「ヒィもあたしぐらいの歳になったら“危ない”って怒られなくなるよ」

「じゃあ、塀はアイカちゃんぐらいの歳になったらのぼったほうがいいの?」

「ダメだよ。それだとあたしになっちゃう」

やっぱりあたしは“あたし”でくくっているんだ。

ヒィは枝の棒で地面にあるありの巣をいじくる。

「アイカちゃんみたいになっちゃダメなの?」

「ダメだよ」

ヒィはヒィの“ヘン”がある。

「なんで?」

「あたしはガラクタ姫だから。」

「だから?」

「だから」