ガラクタ姫


公園はいつも通りそこにあった。

あたしは動く気力がなく、ブランコに乗って揺れる。

ヒィは地面でありの行列か何かを見つけてじっと見つめている。

「ねぇ」

あたしは塀のほうへ顔を向けた。

「塀の上を渡ったことある?」

「え?ないよ?」

「渡りたいって思う?」

「うーん、大人に“危ない”って怒られるから」

「怒られなかったらのぼる?」

「わかんない。なんで?」

「今のあたしだったら怒られないんだ。」

へへ、とヒィに笑う。