「なーに?」 「なんでジュースないの?ペットボトルのほうがすぐに飲めるのに」 「べつに急いでないもん」 あたしは冷めた手を温めるようにマグカップを両手で包んだ。 「急いでいるときは水を飲めばいいし」 そう言ってあたしが水道を指すとヒィは顔をしかめる。 「…節約でもしているの?」 「うーん、しているつもりはないけど。ユタのお金で暮らしているからね」 「ユタ?」 「アイカちゃんのカレシ」