ベッドの横にはハイビカスみたいな名前の分からない小さい花、摘んできたスズランを置いた。

ほのかな花の香りに満たされていたのはさっきの話。

今はユタのせいで花はもぅどうでもいい。

「毎日連絡しろって言ったのに」

ベッドの上で天井に向かって愚痴をこぼす。

ユタが電話をするのに気が進まないのは百も承知だ。

だけどつまんないよ。

ユタがいないと。

ユタと一緒に入れると思ったからユタと一緒に暮らしているのに。

電話で聞こえるユタの声だけじゃなく全身でユタを感じたい。