さっきとは打って変わって嫌な気分になった。 帰ろう、と起き上がり、土管から降りようとしたら、土管の下に男の子がいた。 男の子はじーっとあたしを見る。 あたしもじーっと彼を見つめた。 小学生ぐらいの男の子は服も肌も何もかも新品でただ頭だけがボサボサになっていた。 「おねぇちゃん、ホームレス?」 「違うよ」 あたしには帰る家があるんだ。 「それにおねえちゃんじゃない。アイカちゃんっていう名前があるんだ」 「アイカちゃん?」