他の人間は存在してていいけどあたしに話しかけないでほしい。 あたしはおじいさんを無視して、マンションを出た。 家に帰るつもりがおじいさんから逃げようと外に出てしまった。 外だ。 買い物や散歩するのに出る外が、今じゃ清々しい。 きっとパジャマだからだ。 たまにあたしの前を通りすがる人々はあたしを物珍しそうに見る。 それを知って、あたしは良い気分になる。 珍しい人、特別扱い。 昔からそうだった。