あたしはブランコから立ち上がり、公園の端の塀にのぼった。 小学生の時より塀は低くなっており、一回でのぼれた。 「あたしはピエロだ!何も怖いもんなんてない!えへへ~」 ペロペロキャンディーを片手で指揮のように振り回し、鼻歌を歌う。 ゆっくりとリズミカルに。 怖いものなんてない。 人なんて怖くない。 「なにしてるの?」 ギュッと心臓が縮まった。 あたしの中からピエロが消えさる。