【栞】



涼くんのことが頭から離れない。



『彼氏』



あたしの彼氏なんだ…。



「ごめんね…涼くん。」



涼くんに抱き締められて嫌な気
しなかった。



むしろ嬉しかった。



涼くんだけ思い出せない。



他の人はみんな分かるのに…。



「しぃ♪」

「麻衣!!」

「調子どう?」

「まぁまぁかな?」

「なら良かった♪」



麻衣はほんといい親友だ!!



「麻衣は雄とどう?」

「ラブラブ~♪…ってごめん。」

「気使わないでよ。」

「涼のこと…思い出せないの?」

「うん…。」

「そっか…。でもゆっくり思い出せばいいんじゃない?」



麻衣…。



「ありがと♪」

「うんっ。」