ミモザの呼ぶ声

 美優は細く、かすれ切った声で肯定した。

「馬鹿だな……本当に馬鹿だな」

 美優はほろりと泣いて、涙の粒をミモザの絵の断片に吸わせた。
 鏡を使わせなかったのは病院の判断だろう。おかげで美優は自分がまだ何歳かもわかってないようだった。

「美優、生きてていい? おにいちゃん」