ミモザの呼ぶ声

 トリウミカズヤが言う。こいつなら仕方ない。ぶっ壊れた物に感じるらしいから。

「アトリエへいってごらん」

 まさかと思い、駆け込んだ先では、美優が跪いてた。美優……泣いているのか。

「コレは……」

 ボロボロのミモザの断片が小さなアトリエの壁一面に、ちりばめるように上下左右と関わり無しに貼り付けられていた。
 そして油を引いた鉄板のような床面に、花の中で眠るように美優の絵が横たえられていた。