ただ、風邪ひいちゃっただけなのに凄く優希に迷惑かけちゃった…。 「泣きそうな顔してるね……どうして?」 くいっとアゴを持ち上げられて、そっとあたしの目元をなぞる優希の指先。 「会社…行ってもよかったよ?」 そう言ったあたしを見て、何故だか優希はちょっとだけ悲しそうな顔をした。 少しの沈黙の後、優希の手があたしの背中にまわり、ぐっと引き寄せられる。