花は時に牙で噛む【停滞中】



「郁美ちゃん、行こう」


「えっ!?ちょ、ちょっと…」



徐々に出来てきている野次馬の間をすり抜けて、パラソルに駆け込む。


「あっ、芽々、大丈夫だった?」


涼しそうな顔で出迎えてくれちゃって…。



「裏切り者!!」


「なに言ってんの!!あぁいうのは男に任せた方がいいでしょ」


と、得意気に話す麻里子。
しかも、ウィンク付き。


だから、優希が来たのか。



「ちょっと芽々ちゃん。優希さんよかったの!?」


「そうよ、あんた。優希さんどうしたのよ!?」



まぁ、事態も事態だったし、

「置いてきた」