花は時に牙で噛む【停滞中】


優希は、涼しそうなVネックに熱々していないパンツ。


……この人、海に入る気は微塵もないらしい。
現に水着を用意したのに、却下されてしまった。

もしかしたら、パラソルから出ない可能性もある。

一緒に来れたのに、泳がないんじゃ意味ないじゃないか。




「芽々行こう」


麻里子に浮き輪を被せられ、海の中へ。


「冷たい!!」なんてはしゃいでいると、郁美ちゃんはスイスイと綺麗なフォームでマヂ泳ぎ。

それをあたし達、3人で見守っていた。



「ねぇ、芽々ちゃん…優希さん」


少し言いづらそうに優希に指を向ける志歩ちゃん。