あたしは黙ったまま優希の言うとおり腕を前に出した。 ずっと沈黙が続く。 非常に気まずい。 「ごめんね、お見送り出来なくて…」 優希の顔色を伺うも、無表情のままで何を言うわけでもなく、ひたすら手当てを続ける。 何か言ってくれてもいいと思う。 無表情だから感情がよく分からない。 怒っててもいいから、声を聞きたい。 「あたし、何か失敗しちゃったかな?お料理おいしくなかった?」