「仁兄が?」



「でも"アッシュ"に入った事は内緒だって言ってたな…心配かけたくねーからって」



そう彼はいつもあたしを気にかけ、優しくしてくれた。



あたしはただその優しさに甘えていただけ。



彼の思いも知らずに…



「俺達はね…高校を仁と同じ所に行く事に決めて"アッシュ"に入ったんだ」



「何で…豪は?」



ふぅーっと、ため息を吐いた龍也を横目に葵が話す。



「豪はあの頃荒れててね…俺達にも当たり散らすようになってたんだ…アイツきっと君たちを見に行ってたと思うんだ」



「豪があたし達を?…じゃああたしの事を知ってたの!」



「多分ね…どう言う訳で君をそばに置いたのかはわからないけど…」