───…
──…



茫然としていたあたしは、いつの間にか彼女に連れられて歩き出していた。



「ちょっと待ってよ!あなた一体何なのよ」



はっとしたあたしは、掴まれた腕を解こうとした。



しかし強く掴まれた腕は、いくら振っても解けない。



「いった…」



「大人しくついてきなよ…ねっ?」



「あなた誰なのよ!」



「クスッ…名前は葵…まっ後はちゃんとついてきたら教えてあげる」



何なのこの人…自分勝手な人だなぁ。



でも…気になる。



豪とこの人の関係が知りたくて、あたしは仕方なく彼女に連れられて歩いた。