「…んな…そんな強さいらない…関係ない人達を傷つけてまで護って欲しくない!…卑怯者になってまで護られたくなんてないよっ…うぅっ…」



涙ながらに言った未歩…沢田の手からスルリと離れた角材は、音を立て寂しげに転がった。



「…未歩を護りたかった…この手で…その為には強くならなきゃいけない…そう思ったんだ…」



「悠君…」



未歩の涙を拭いながら、沢田は悲しげに微笑んだ。



「でも…強くなることばかりにとらわれて、何の為に強くなりてーのかを見失ってた…ごめんな未歩…悲しませて」



「ううん…悠君がいてくれる…それだけであたしはいいの」



「…未歩…でも、俺ひでぇことしちまった…お前の友達にも…」



沢田はあたしに顔を向ける。