「豪!!」



堪らなくなったあたしは、ガバッと豪に抱きつき「ごめんね?」と囁いた。



耳まで真っ赤になった豪が、嬉しそうに微笑んだ。



「……ウソだろ?何この状況?!」



「げっ!豪?!」



ガチャリとドアが開き、現れた泰治と優斗は目の前の光景に驚いて声を上げた。



"ライズの黒豹"



刺すような鋭い眼…素速い動きで相手の喉元に食らいつく。



黒を纏い、他人を寄せ付けないオーラを発していた豪。



そんな男が1人の少女によって変わっていく。



「頬を染めるな頬をっ!!」



「ひーっ…腹がよじれるっ…」



皆の笑い声が響いた溜まり場。



数日後――この穏やかな日常が、壊される事になるなんて思ってもみなかった…。