「似てるけど仁兄と豪は違うよ?…仁兄は兄として慕ってた」



何も言わずあたしをじっと見つめる豪。



「あたしね気づいたの」



「なににだ?」



「自分の気持ちに」



そっと頬を包み込む大きな温かい掌に、自分の手を重ねた。



「…あなたが好き」



漆黒の瞳は瞬きを忘れて、あたしを見つめていた。



「豪が好き…大好き」



ただ黙ってあたしを見つめ続ける豪に言う。



「多分…初めからあなたに惹かれてた…他の誰でもない″黒瀬豪″って男に」



「うそ…なんて言わせねーからな」



そう言って静かに唇を寄せた。



心を通い合わせたあたし達の、甘く切ないキスだった。