みな一斉に声の主へと視線を注いだ。



「…あ…おい?」



じっとあたしを見つめた後、豪に向き直った葵は問いかける。



「豪、教えてくれないか君が何故あやめさんの傍にいるのか…?偶然に出会った訳じゃないよね?」



しーんと静まり返った倉庫の中に、葵の声だけが響きわたった。



しばしの沈黙の後、豪が真っ直ぐな眼差しをあたし達に向けて言った。



「"あやめを頼む"…仁の最期の願いだ」



「最期って…」



葵が呟くように言うと、豪は話しを続けた。



「仁が事故って重体だって…俺を呼んでるってお袋から連絡が入った…」



「それで?」



その時の事を思い出したのか、豪が顔を歪める。



そんな豪に、龍也が続けろと促す。



「行ったさ…でも俺が着いた時はもう、アイツは息をするのもやっとの状態だった」



あたしに視線を向けて豪が言う。