「じゃあ私、部屋に行きますね?」
「待った!!」
ソファーから立ち上がろうとしていた私の腕を紘一さんが引く。
「美弦にも紹介したいからここにいて♪」
「いや、でも…」
口ごもってしまった。
隠し子が同席したらまずいんじゃ…?
「大丈夫だよ。昔からの知り合いだし、美弦のことも知ってる人だよ」
安心させるように笑う紘一さんに逆らえるわけなく…。
「わかった…」
ホントに大丈夫かなあ…?
疑いつつも素直に従い、座りなおす。
「お客さんってどんな人なの?」
私がこの家に来てからお客さんが来るなんて初めてのことだ。
きっと紘一さんの配慮だと思うけど。
「ガキの頃から俺に懐いてて、弟みたいな奴なんだ。年の割に妙に世間慣れしてるのがムカつくけど」
ムカつくなんてセリフが気軽に使えるくらい仲がいいということが窺える。
「でも、信頼できる。美弦のことも絶対に言いふらしたりしないから安心して?」
紘一さんに信頼されてる人…。
一体どんな人なんだろう…?



