「それ何?」
彼は私のお弁当を指差していた。
「おっお弁当ですけど…?」
彼にいきなり話しかけられ、私は見つめていたことを悟られないように平静を装った。
「マジで!?一緒に食べない?ちょっと待ってて!!今とって来るっ!!」
へっ…?
彼は矢継ぎ早にそう言うと猛スピードで走り去っていった。
しかし、私が呆気にとられている間にすぐに戻ってきた。
「食べよっか?」
笑顔で話しかける彼につられて私も笑った。
「あっはいっ!!」
こんなかっこいい人に誘われて断る人いるのかなあ?
私達は2人並んでお弁当を広げ始めた。
といっても彼は明らかにコンビニのパンだけど…。
「あっ俺、高屋 愁。2年ね。いやぁ、俺以外の奴がここに来るなんて初めてだよ~」
彼、高屋先輩はヤキソバパンを頬張りながら気さくに話し始めた。
「佐崎 美弦です」
「美弦ちゃん?可愛い名前だね」
「そんなことないですっ!!」
うわあ…絶対顔、真っ赤だよ。



