びっくりしたぁ…。


起き上がった人影は開口一番にこう言った。


「寝過ごした…」


誰、この人?


私が訳も分からずペタンと尻餅をついているとその人は私に手を差し出しながら尋ねた。


「今、何時?」


「あ!?えっと…昼休みです」


差し出された手に掴まりながら体を起こす。


「そっか…昼休みか…」


ポリポリと頭を掻いてその人は何か考え出した。


それにしても…


私って最近、運がいいのかな…?


髪に寝癖がついてることを除けば、彼は…何というか…


いい男…?


サラサラの黒髪に整った顔つき。


着崩した制服にピアス。


髪の毛の寝癖がちょっとかわいい―…。


街中にいたら誰もが振り返ってしまうような風貌。


どうしよう…かっこいい―…。


私は知らず知らずのうちにその人を見つめていた。