「お母さんは美弦に言いたいことが山ほどありま―す!!」
私のことはお構いなしにお母さんはどんどん自分の言いたいことを言い始めた。
そう、人の話を聞かない…。
この人の特技だ。
お母さんは右手を私の前に掲げ数え始めた。
「ひとーつ。いい加減泣くのはやめなさい。泣いてばかりじゃ人生損でーす」
「はい…」
努力はします。
「ふたーつ。たまにはお墓に来ること。結構淋しいのよ?あそこ」
「わかった…」
そう言えば最近行ってなかったな。
「みいーつ」
まだあるのか…。
そう思っているとふわっとお母さんの香りが鼻をくすぐった。
「大切な人にきちんと想いをぶつけなさい」
お母さんは私の体を包み込んでいた。
「お母さんは何でも知ってるのよ?美弦の辛い気持ちもずっと見てたんだから…。だから会いに来たの…」
温かい…。
久しぶりのお母さんの温もりだ―…。
「お母さん、私…愁にちゃんと言えるかまだ不安だよ…」
どれだけ好きと言えば相手にこの気持ちが伝わるんだろうか?
もしも聞いてくれなかったら?
私のことなんか忘れて彼女がいたら?
そう思うと不安に襲われて本当はすごく怖かった。
「美弦…お母さんね、美弦を産んだこと後悔してない。でもね?紘一さんにちゃんと向き合わなかったことは少しだけ後悔しているの」
「お母さん…?」
初めて語られる真実に私はお母さんの顔を見上げた。
お母さんはゆっくりと告白し始めた。



